HOME > Trip一覧 > この場所で、マイナスイオンの深呼吸!

豊かな暮らし―今、世の中の願望は、あらゆる意味においてその場所を目指しているのではないだろうか。けれど“豊かな暮らし”の意味するものが、まだあまりにも不鮮明であることも事実。その理由は、人によって豊かさの基準が違う、ということもおおいに関係していることだろう。けれど、圧倒的に豊かなものを目前にした時、人は、静かにそれを受け入れるしかすべがなくなる―ノルウェーを訪れてみたなら、行く先々に待機している絶景は、豊かさの確かな形を見せてくれることになるだろう。

北の国に遅い春がやってくると、フィヨルドの谷には、幾筋もの滝が流れ落ちてくる。
そんな場所で、マイナスイオンの深呼吸!
ふーっと、心が洗われる瞬間である。
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“フィヨルド”という言葉を聞いたことがあるだろうか。フィヨルドとは、氷河によって削り取られた渓谷の、複雑な地形や湾を指したノルウェー語で、その合間には、深く、波もない静かな海が横たわっている。その海には、イルカが泳ぎ、あざらしが顔を出し、そして釣り人達を熱中させるダイナミックな釣り場ともなっているのだ。海は、それだけで人々を魅了するに余りあるのだが、波の水面は、息を飲むような絶景を、まるで鏡のように映し出し、それが感動を倍にしてもくれる。
この景色を見ているだけで、人々がごく当たり前のように自然を敬い、愛している理由はわかる。けれど、山のてっぺんや、足場の悪さが容易に想像できるような渓谷の中ほどなどにいくつもの家が建てられているのを見て、その理由を尋ねた時の、地元の人の言葉が印象的だった。
「それはね、窓から、海が一番きれいに見える場所に家を建てたいからだよ」
利便性よりも、幸福感を優先させた、人々の暮らしがその場所にはあったのだ。言われてみると、家々は、隣家との程よい距離感を保ちながら、どこも海が美しく見渡せるであろう窓を有していた。そしてその窓は、道行く人をも楽しませたいと願っているかのように、花々やデコレーションで美しく飾られていたのである。ごく普通の家々の窓が、その中に、“豊かな暮らし”が営まれていることを教えてくれたのだ。
これまで、国の豊かさを示すと言われていたGDPは、国の経済力を表してはいても、それが暮らしの豊かさを示すものではないと言われていたのだが。このたび、国連開発機構がその豊かさを指数化したHDの発表では、この美しい国、ノルウェーが輝ける第一位に選ばれている。
















